生保数理の合格体験記です、
アクチュアリー正会員に聞くシリーズ、第一弾。
外資系生命保険会社勤務の方からインタビューしてまとめてます。
学生時代から準備していた1次試験
1次試験は大学4年生ごろからちょこちょこと勉強してました。
夏に大学院修士課程の試験がおわり、無事に数学専攻へ進学が決まってからだったと思います。数学と生保数理を中心に、テキストや問題集と過去問を購入して地道にやってました。
今はPDFでフリーになった過去問ですが、当時は有料だったので貧乏学生時代には地味に痛い出費でした。
ただ、受験料は1科目3,000円で、いまと違って格安でしたね。
勢いで損保数理と年金数理、KKT(会計経済投資理論)のテキストも全部買って、とにかく満遍なく勉強しました。
その後、修士1年の頃から就活をはじめ、アクチュアリー採用の試験対策を兼ねて、数学を中心に勉強してました。
修士1年の終わりごろ、無事に内定をいただき、「入社前に準会員!」を目指して怒涛の受験勉強が始まりました。
初受験は無謀な5科目受験だった
5科目受験を本当に決行しました。背水の陣です。
年金数理はいまいち概念がわからず、損保数理はさらにわからず、一番しっくり来たのが生保数理でした。
テキストがしっかりしていて、問題とテキストの乖離が一番小さいのが生保数理のように感じてました。
計算基数の同値な変形などがけっこう好きで、過去問を中心に、いろんなパターンを自分で考えて、解ける問題のバリエーションを増やし、同時に試験の予想問題を作ってみたりしました。
それでも試験はとても過酷で難解、残酷なことに全科目不合格で入社することになりました。
入社1年目で生保数理に合格
勉強の習慣は入社後もまったく変わらず、平均して21時くらいまでの残業のあと、眠気と闘いながら試験対策を続けました。
入社1年目で、このときも懲りずに5科目受験し、そのうち数学・生保数理に絞り始めました。
当時の試験問題は今のようなマークシートでなく、記号選択と「記述問題」がありました。
それでも難易度は特にかわらず、自分が受験していた頃はむしろ「氷河期」といわれるような、低合格率の時代が続いたように記憶しています。
当時の試験問題を振り返ってみると、「テキスト」をきちんと勉強したり「見た目」の記憶に助けられたような感じがありました。
当然、「過去問研究」は別記事にあるように念入りに実行してました。平成元年からの過去問は全て揃え、傾向をつかみました。
思えば、昭和時代の過去問はほとんど無視していたので、甘いですね、、、。
https://nishii-showten.com/business/2018-actuary-exam-paper/
その時の問題と、テキストの記載を対比してみると、「チルメル式責任準備金」の計算が面白かった自分にぴったりの計算がでていたんですね。
問題がこちら、
テキストにあるチルメル、このあたりのページです。
あとは、テキストの章末問題とほぼ同様の問題が出ていたり、「ほぼ数秒」で解けたような問題があったのもラッキーだったように思います。
例えばこちら。
この問題、テキストのココにしっかりと書かれてます。また、過去にも数回出題されてますので、割とテッパン問題の1つでしょうね。
そんなこんなのラッキーパンチが重なり、無事に初合格を掴み取りました。
当時、公式テキストの他に使っていたのはコチラです。
保険料計算は「収支相等の原則」に沿っていくのが公式テキストの考え方ですが、ゲルバーの本では「期待値」「分散」の考え方をメインに用いてアプローチします。当時は原著の英語版を使ってましたが、今は和訳が出てますね。
公式参考書としてはこれがありますが、自分のときは使っていませんでした。;
試験勉強の材料が豊富なので、良い時代です。
生保数理合格はかなり誉められました
5科目あるうち、
というのは非常に悩ましかったです。
学生の頃は特に何も考えずに5科目を満遍なく勉強して全落ちという結果だったのもありますが、諸先輩方のアドバイスや自分の時間的リソースを考慮して、次のセットで勉強していました;
まあ結果的に生保だけ合格だったので、次の年からは「数学と損保数理」に注力していく計画というわけです。
また、当時の上司には数理系の科目合格についてとても評価された記憶があります。
比較的合格しやすいKKTなどに比べて、上司としても安心するようです。
ともあれやっと研究会員になり、現実の厳しさをこれから数年以上にわたって味わうわけです…
次回、「数学、年金数理ダブル合格」に続きます。
https://nishii-showten.com/business/2018-actuary-mathematics/
こちらの本は2次試験に関連した医療保険の数理がちょっとだけ登場します;
アクチュアリー1次試験科目別合格体験記
過去の経験を書いてみましたので読んでみてください。
過去の記憶ですが、何かの役に立てると思います。転職にも有利になりますし、頑張りましょう。

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