損害保険会社の支払備金・IBNR 法令を整理してみよう

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アクチュアリー試験において最難関かもしれない、法令関係。
損害保険会社の中でも支払備金に関する法令や計算は、多岐にわたります。
その相互参照や意味を整理してみましたのでご覧ください。

※本文では下記のような略称を用いることがあります;
法:保険業法
規則or則:保険業法施行規則
平成YY年告示第NN号:大蔵省(or金融監督庁、etc,,)告示第NN号(平成YY年MM月DD日)

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保険業法 第117条(支払備金)

保険会社は、毎決算期において、保険金、返戻金その他の給付金(以下「保険金等」という。)で、保険契約に基づいて支払義務が発生したものその他これに準ずるものとして内閣府令で定めるものがある場合において、保険金等の支出として計上していないものがあるときは、支払備金を積み立てなければならない。

2.
前項の支払備金の積立てに関し必要な事項は、内閣府令で定める。

「支払義務」がポイント。また、それに準ずるものとは何を指すのでしょうか?

規則第72条(支払義務が発生したものに準ずる保険金等)

法第117条第1項に規定する内閣府令で定めるものは、保険金等であって、保険会社が、毎決算期において、まだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認めるものとする。

規則第73条(支払備金の積立て)

保険会社は、毎決算期において、次に掲げる金額を支払備金として積み立てなければならない。

第1号

保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等(当該支払義務に係る訴訟が係属しているものを含む。)のうち、保険会社が毎決算期において、まだ支出として計上していないものがある場合は、当該支払のために必要な金額

第2号

前条に規定するまだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認める保険金等について、その支払のために必要なものとして金融庁長官が定める金額

「支払義務に係る訴訟が係属しているもの」とは、保険金の支払いに対する訴訟が考えられます。訴訟の判決が出ていなくても、訴訟という事実だけで備金を積み立てなさい、というなかなか強い(保守的な)要請。

2.
保険会社の業務又は財産の状況等に照らし、やむを得ないと認められる事情がある場合には、前項の規定にかかわらず、同項第2号に規定する保険金等については、一定の期間を限り、法第4条第2項第4号に掲げる書類に規定する方法により計算した金額を支払備金として積み立てることができる。

3.
第71条第1項の規定は、支払備金の積立てについて準用する。

「金融庁長官が定める金額」は、次の告示に飛びます。

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大蔵省告示第234号(平成10年6月8日)

第1条(生命保険会社等の支払備金)
(略)

第2条(損害保険会社等の支払備金)

規則第73条第1項第2号に規定する金融庁長官が定める金額は、損害保険会社及び外国損害保険会社等(以下「損害保険会社等」という。)にあっては、保険種類ごと(規則第76条各号に掲げる保険契約を除く。)の引受けの区分別の単位(以下「計算単位」という。)ごとに区分し、次の各号の分類に応じて次項又は第3項に規定する計算方法により計算した金額とする。ただし、再保険のみの引受けを行う損害保険会社等にあっては、当該分類にかかわらず、次項による計算方法により計算した金額とする。


保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等の支払が長期間に及ぶと認められる計算単位


前号の計算単位のうち、重要性がないと認められる計算単位


第1号以外の計算単位

2.
前項第1号に規定する計算単位(前項第2号に該当するものを除く。)にあっては、支払保険金及び規則第73条第1項第1号に規定する金額(以下「普通支払備金」という。)等を基礎として、統計的な見積り方法により合理的に計算した金額とする。ただし、合理的かつ妥当な理由がある場合には、一般に公正妥当と認められる会計基準及び適正な保険数理に基づく他の方法により計算した金額とすることができる。

3.
第1項第2号及び第3号に規定する計算単位にあっては、別表の算式により計算した金額とする。ただし、一般に公正妥当と認められる会計基準に照らし、合理的かつ妥当な理由がある場合には、前項と同様の方法により計算した金額とすることができる。

別表(第2条第3項関係)

次に掲げる算式により計算した金額とする。なお、原則として要積立額aによることとし、再保険による引受契約及び海外における元受契約において要積立額aによる算出が困難な場合に限り、要積立額bによることができることとする。

1.
要積立額a

要積立額a=対象事業年度の前事業年度までの直近3事業年度における既発生未報告損害支払備金積立所要額の平均額×対象事業年度を含む直近3事業年度の発生損害増加率

2.
要積立額b

要積立額b=対象事業年度を含む直近3事業年度の年間発生保険金の平均額×1/12

備考
この算式において次のイからホまでに掲げるものは、当該イからホまでに定めるところによる。


前事業年度までの直近3事業年度における既発生未報告損害支払備金積立所要額の平均額 前事業年度までの直近3事業年度におけるそれぞれの事業年度(以下「当該事業年度」という。)終了の日以前に発生した保険事故について、それぞれ次の算式により計算した金額を平均した金額とする。

当該事業年度の既発生未報告損害支払備金積立所要額=当該事業年度の翌事業年度の支払保険金+当該事業年度の翌事業年度の普通支払備金-当該事業年度の普通支払備金


対象事業年度を含む直近3事業年度の発生損害増加率 対象事業年度に発生した保険事故に関し算出した発生損害額に基づき、次の算式により計算した率とする。

(1)
対象事業年度を含む直近3事業年度の発生損害増加率=対象事業年度を含む直近3事業年度の発生損害額の合計額÷対象事業年度の前事業年度までの直近3事業年度の発生損害額の合計額

(2)
発生損害額=当該事業年度の支払保険金+当該事業年度の普通支払備金


対象事業年度を含む直近3事業年度の年間発生保険金の平均額 各事業年度ごとに次の算式により計算した金額を平均した金額とする。

年間発生保険金=当該事業年度の支払保険金+当該事業年度の普通支払備金-当該事業年度の前事業年度の普通支払備金


要積立額aの計算において、対象事業年度の前事業年度までの直近3事業年度における既発生未報告損害支払備金積立所要額の平均額が零を下回る場合 当該計算単位に係る要積立額aは零として計算することとする。ただし、合理的かつ妥当な理由がある場合は、零としないことができる。


要積立額bの計算において、対象事業年度を含む直近3事業年度の年間発生支払保険金の平均額が零を下回る場合 当該計算単位に係る要積立額bは零として計算することとする。ただし、合理的かつ妥当な理由がある場合は、零としないことができる。

今回は責任準備金をざっとまとめましたが、次回以降は、
危険準備金
・第三分野ストレステスト・負債十分性テスト
・支払備金
・配当準備金
・価格変動準備金

などをまとめてみようと思います。

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それではこのへんで。
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